著作権

コピーライトとは?法的な必要性や書き方、意味について解説

最終更新日:2024.02.17編集部
コピーライトとは?法的な必要性や書き方、意味について解説

この記事はこんな方におすすめ!

  • Webサイトなどで使える一般的なコピーライトの書き方を知りたい。

  • コピーライト表記の役割と必要性について理解したい。

  • コピーライト表記における著作物発行年の記載方法を知りたい。

現在の日本の法律、そして日本が加盟している国際条約上はコピーライトの表記を行わなくても著作権は国際的に保護されるようになっています。そのため、法的な著作権保護という観点では実はコピーライトの表記は意味を持ちません。しかし、著作権の所在を明確化して無断転載を防止する目的では、慣習的にコピーライト表記を行うことが少なくありません。この記事では、そのようなコピーライトの基本的な知識から具体的な書き方について解説しています。

コピーライトとは?

コピーライト表記とは?

コピーライト(Copyright)とは、英語で著作権を意味する単語です。そしてコピーライト表記は、創作物への著作権が「いつから誰にあるのか」を示すものです。とはいえ、コピーライト表記は著作権を有するために法的に必要なものではなく、コピーライトの表記を行わない場合でも著作者の死後70年間著作権は保護されることになっています。そのため、「コピーライトの表記がない」または「書き方がおかしい」ような場合でも法律上著作権はしっかりと保護されます。

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コピーライト表記内の年を間違って記載してしまうとどうなる?

コピーライト表記は法的には必要がない?

コピーライト表記は法的には必要がない?

日本の著作権法上、著作権を保護するためにコピーライトの表記は必須ではありません。では、コピーライトの表記をすることにはどのような意味があるのでしょうか?

現在、コピーライト表記を行うことの主な理由は「作品やコンテンツに著作権があることを他者にアピールするため」です。特にインターネット上のコンテンツには、著作権の所在がわかりにくくなりやすいという特徴があります。このような背景を踏まえて、法律的には意味がないコピーライト表記を使用することの意義について紹介したいと思います。

コピーライト表記が用いられる理由

コピーライト表記が用いられる理由

現在コピーライト表記が用いられる理由は、主に以下の3つです。

  1. 無断転載の防止

  2. 著作権があることを印象づけるため

  3. 著作権保持者が誰かを示すため

それぞれの必要性について、下記で解説します。

1. 無断転載の防止

法律上、コピーライトの表記がなくても著作権が保護されるとはいえ、著作権法に関する知識には人によって差があり、このような事実は誰もが知っているものとは限りません。そのため、作品の無断転載が行われてしまい、著作者が著作権侵害の申し立てを行うなどの手続きを行わなくてはいけないような状況がしばしば起こりうるのです。このようなトラブルを前もって防ぐために、コピーライト表記を用いて著作権の所在を明示することで無断転載の抑止をするといったことが行われています。

2. 著作権があることを印象づけるため

世の中には、パブリックドメインや著作権フリー素材など、著作権が放棄されているコンテンツや著作権を行使しないことを表明されているコンテンツも存在します。特にインターネット上では、このように著作権に関する扱いが異なるコンテンツが混在しています。このような場合、意図的な著作権侵害を目的としていなくても「パブリックドメインのコンテンツだと勘違いして使用してしまった」というようなことも起こり得ます。こういった問題への対策としても、コピーライト表記で著作権があることを印象づけることは有効であると言えるでしょう。

3. 著作権保持者が誰かを示すため

コピーライト表記には、ご存知の通り著作権の所有者名が記載されます。そのため、誰が著作権を保持しているかをわかりやすく明示することができます。これは写真など、引用やシェアという形で利用されやすいコンテンツの場合を考えると有効性がイメージしやすいかもしれません。例えば、SNS上ではさまざまな形で写真を引用されることがあります。中には、作者になりすますような意図がなくても、コンテンツの閲覧者に誤解を与えてしまうようなこともあるかもしれません。

また、SNS上でシェアされたコンテンツが2次、3次的にシェアされることによって、さらに出典が不明になってしまうこともあると思います。画像内にコピーライト表記をすることで、このような状況においても、自身が著作権の保持者であることを周知することができるようになります。この場合でも、法的にはコピーライト表記の形に沿う必要はありませんが、慣用的に広く認知されているコピーライト表記を利用されることが多くなっています。一種のウォーターマーク的な利用方法と言っても良いでしょう。

コピーライトの書き方

コピーライトの正しい書き方

コピーライトの書き方を分かりやすくご紹介します。現在使用されているコピーライト表記の形式は、歴史的な背景により「万国著作権条約」という条約において取り決められた形式が用いられています。以前はこの「万国著作権条約」と「ベルヌ条約」という著作権に関する異なる2つの条約、どちらの条約に加盟しているかにかかわらず国際的に著作権を行使するためには、万国著作権条約で定められたコピーライト表記の形式を用いる必要がありました。しかし、現在は万国著作権条約の加盟国はすべて無方式主義のベルヌ条約に加盟しているため、このような意味合いは持たなくなりました。

当初の意味合いは持たなくなったものの、現在使用されているコピーライト表記の形式はこのような背景により浸透した万国著作権条約の形式のものとなっています。万国著作権条約とベルヌ条約の違いは以下のとおりです。

方式主義(万国著作権条約)

方式主義(万国著作権条約)は、かつてのアメリカなどの著作権を得るためには政府機関への登録等が必要と定められていた国においても、他国の著作権が保護されることを目的として結ばれた国際条約です。その条約内で、政府機関への登録が義務付けられている国でも著作権を保護してもらうための条件として以下の3つの要素の明示が取り決められました。

  • ©マーク

  • 作成年

  • 著作権所有者の名前

現在この万国著作権条約のみを締結する国はないため、すでにコピーライト表記はその本来の目的で使われることはなくなりました。しかし、著作権を表現する方法として、現在も習慣的にコピーライト表記法が用いられることとなっているのです。

無方式主義(ベルヌ条約)

一方で、無方式主義(ベルヌ条約)は、日本を含む170ヶ国以上の国が加入している著作物を保護する条約です。無方式主義では、著作権に関する表示は必要とされず、創作物が生まれると同時に著作権が発生します。日本は他の多くの国と同様、この無方式主義に加入しているため、コピーライトを表記しなくても著作権は保護されます。また、同様にベルヌ条約に加盟している他国においても著作権が保護されます。

ちなみに日本と条約関係のない国や、そもそも著作権に関する条約に批准していない一部の国においては、それぞれの国の国内法の範囲によってのみ保護されることとなります。

コピーライトの表記ルール

このように、方式主義の名残りとして現在も使用されているコピーライト表記ですが、基本的な表記ルールは以下のとおりです。

  • 「©」を表記する

  • 著作物発行年を示す

  • 著作権所有者名は英語で表記する

1. 「©」を表記する

コピーライトには、「©(マルシー)」の記号を使用します。

2. 著作物発行年を示す

著作物発行年も忘れずに表記しましょう。Webサイトなどで、毎年表記年を更新しているケースも見受けられますが、本来は著作物の発行年を記載するものとなっています。2020 - 2023のように発行年と更新年両方を記載することもできます。

3. 著作権所有者名は英語で表記する

コピーライトの表記法は、もともと国際条約である万国著作権条約に起源を持つため、著作者名は英語での表記となります。

  • ✖️ 株式会社うさぎ

  • ⚪︎ Usagi Inc.

「All rights reserved」はなしでもOK

「All rights reserved」表記は、方式主義の国が過去に加盟した条約の名残りで使用されています。この条約では、著作権を明示するためには「All rights reserved」の表記を必要としたものの、現在これらの国はすべて日本と同じくコピーライト表記を不要とする無方式主義に加盟しているため、コピーライト表記自体と同じく、現在となっては表記する必要がないものとなります。

コピーライト表記の例

コピーライトの具体的な書き方例をご紹介します。

  1. 法人

  2. 個人

  3. 複数の著作者がいる場合

以上3つに分けてご紹介します。

1. 法人

法人の場合は、下記のように書けばOKです。

「株式会社うさぎ」と言う名前の会社が2023年に初公開したWebサイトに記載する例をご紹介します。

Quote

© 2023 Usagi Inc.

書き方のポイント

  • © →(C)でもOK

  • 2023 → 最初の発行年を記載

企業名の英語表記に関しては以下のようなものがありますが、企業の正式な英語表記名が決まっている場合はそちらを使いましょう。

  • 株式会社 →「Co., Ltd.」「Inc.」「Corp.」

  • 有限会社 →「LLC」

  • 合同会社 →「LLC」または「Inc.」「G.K」

2. 個人

個人の場合も法人と同じ書き方となります。法人の名前部分を個人名に変えます。

Quote

© 2023  Hanako Yamada

3. 複数の著作者がいる場合

複数の著作者がいる場合は、すべての人の名前を記入します。

Quote

© 2023  Hanako Yamada, Taro Hayashi

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コピーライトをHTMLで書くには

コピーライト表記をHTMLで書く方法をご紹介します。

Webサイトのフッターに記載する場合

<footer>
  <small>&copy; 2023 会社名</small>
</footer>
  • <footer></footer>:フッターの要素

  • <small></small>:著作権・ライセンスなどの要素

  • &copy;:©の記号

コピーライトを書く場所

コピーライトを表記する場所は?

コピーライトを書く場所は、主に以下の3箇所です。

  1. Webサイトのフッター部分

  2. 利用規約内

  3. 画像やビデオに直接

Webサイトのフッター部分

1つ目は、Webサイトのフッター部分です。フッターとは、Webサイトメインコンテンツの下の領域のことを言います。Webサイト上のコピーライトは基本的に、すべてのページのフッターに記載されます。

利用規約内

コピーライトは利用規約内に表記される場合もあります。SNSと同様にユーザーがコンテンツを投稿・共有する「ユーザー投稿型サービス」や画像・音楽などのコンテンツを提供する「コンテンツ提供サービス」などを採用しているWebサイトで、よく用いられます。

画像やビデオに直接

画像やビデオに直接埋め込まれることもあります。画像やビデオの隅に表記することが多いです。写真コンテンツの場合は、透かしでコピーライトを書き込むといった方法もあります。

コピーライトマークの出し方

コピーライトマークの出し方

コピーライトマーク「©」をパソコンで出したいと思っても、なかなか出てこないかもしれません。

  • Widowsの場合

  • Macの場合

上記それぞれの方法を解説します。

Widowsの場合

Widowsのパソコンの場合は、以下のショートカットキーを押してみましょう。

Quote

Ctrl+Alt+C

または、「こぴーらいと」「ちょさくけん」と入力すると出てきます。

Macの場合

Macのパソコンの場合は、以下のショートカットキーを押してみましょう。

Quote

Option+G

または、かなモードで「c」を入力すると変換候補に出てきます。

まとめ

コピーライト表記は、法的には必要ないとはいえ、著作物を無断転載などから守るための手段として現在も用いられています。著作物の公開場所や形式等に合わせてこのような目的でのコピーライト表記を検討されてみると良いかもしれません。

コピーライトに関するよくある質問

Qコピーライトとは?

Aコピーライト(Copyright)とは、英語で著作権を意味する単語です。そしてコピーライト表記は、創作物への著作権が「いつから誰にあるのか」を示すものです。とはいえ、コピーライト表記は著作権を有するために法的に必要なものではなく、コピーライトの表記を行わない場合でも著作者の死後70年間著作権は保護されることになっています。

Qコピーライトの正しい書き方は?

A「© 2023 Usagi Inc.」のように「©マーク 発行年 著作権所有者名」の順で記載するのが一般的です。発行年に関しては、2020 - 2023のように発行年と更新年両方を記載することもできます。

Qコピーライト表記は著作権を保持するために必要ですか?

Aいいえ。以前は国際的に著作権を守るためにはコピーライトマークの表示する必要がありましたが、2023年現在では著作権を保護する国のすべてがコピーライト表記を不要とする無方式主義を採用しているため、法的にはコピーライト表記を行わなくても著作権は守られます。

QコピーライトマークをHTMLで表示するには?

A特殊文字の「&copy;」を使用することで、©マークを表示することができます。

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