書評

書籍『デザインシンキング・ツールボックス 』レビュー!デザイン思考の手法をまとめたデザイナーの道具箱

最終更新日:2023.02.22編集部
書籍『デザインシンキング・ツールボックス 』レビュー!デザイン思考の手法をまとめたデザイナーの道具箱

デザイン思考を実践するための具体的な手法をまとめた書籍、『Design Thinking Toolbox』の訳書『デザインシンキング・ツールボックス 最強のイノベーションメソッド48』が2月13日に刊行されたので、早速チェックしてみました!

本書は、2019年日本語版刊行の『デザインシンキング・プレイブック』に続く、第2弾としての位置付け。デザイン思考を実践するための48もの手法が、デザインシンキングを細分化した8つのフェーズに分けて紹介されています。

手元に置いておきたい、デザイナーの道具箱

ポップな表紙から想像できる通り、絵本のように読みやすく必要なツールから読み進めることができるのが特徴で、まさに「デザイナーの道具箱」のようです。また、本書内で紹介されている手法は、世界44カ国でデザインシンキングに携わる2,500名以上もの専門家からとったアンケートにもとづいて厳選されており、特に評価の高かったツールのみ紹介されているという点も特徴です。実践向けとして、実際に現場で使用されている手法を紹介することにこだわって作られていることがわかりますね。

デザインシンキングの手法と聞くとなんだか抽象的な印象を受けるかもしれませんが、現場で実際に使われている手法をまとめたというだけあり、その内容には「共感マップ」や「サービスブループリント」、「構造化ユーザービリティテスト」などUXデザインの現場でよく見聞きするものが多く含まれています。

また、それぞれのツール(手法)の紹介では、ツールの目的やツールを使ってできることをはじめ、代替ツールや他に役立つ補完ツールの紹介など、それぞれのツールの組み合わせについてのヒントも得ることができます。取り組みたい課題に合わせて一つツールを選び、一緒に紹介されている代替ツールや補完ツールへと読み進めていくと良さそうです。

デザインシンキング・ツールボックス - 5W1Hの質問

https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798175478

実践向けにそれぞれの手法に専門家のアドバイスがあるのポイント!

また、多くの専門家へのアンケートをもとに作られた本書の最大の魅力は、それぞれのツールにそのツールをおすすめする専門家のコメントやツールを使用する際のアドバイスが掲載されていることです。このアドバイスの中に、よくある間違いや失敗を含む「ツールをうまく使うためのポイント」が専門家の経験をもとに語られており、単なるツールの紹介ではなく、まさに「実践」を意識してまとめられていることがわかります。

デザインシンキング・ツールボックス - エキスパートのヒント

https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798175478

さらに、デザインシンキングを取り入れるためのより具体的なイメージが掴みやすいように最終章では、さまざまな企業や組織でのケーススタディや個人のライフプランニングへの応用まで、デザインシンキングの適用例が紹介されています。

デザイン思考ワークショップを開催するような場面のみならず、日々の業務の中で取り組んでいる問題解決でちょっと行き詰まった時などにも、本書に紹介されている48の手法の中から新たな発想を得ることができるかもしれません。まさに、ツールボックスとして本棚に置いておきたい一冊です!

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