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AIの魔法使いになろう!プロンプトの質を向上させる秘訣

最終更新日:2023.08.14
AIの魔法使いになろう!プロンプトの質を向上させる秘訣

近年の人工知能(AI)の進化は驚異的であり、特にデジタル技術の進歩を推し進めています。最近では、無料で使えるDALL•EChatGPTなどのAIツールが登場し、AIが広く一般に認知されるようになってきました。もはやAIは未来の話題ではなく、現代の私たちの生活に深く根付いています。

この記事を書いたデザイナー
Noko Washiyama

Nokoです。メルボルン在住のプロダクトデザイナーで、リモートで仕事をしています。 過去8年間は、ブランド戦略、エクスペリエンスデザイン、ビジュアルデザイン、モーションおよびイラスト、アクセシビリティデザインなどのデジタルデザインの様々な分野で仕事をしてきました。現在は、Two Bulls/DEPTでシニアプロダクトデザイナーとして、様々な国際的なデザインプロジェクトに取り組んでいます。

私の働く会社でもこの革新的なテクノロジーを取り入れ、子供たちが安全かつ簡単に絵本を作れるプロトタイプを今年制作し、先月公開しました。このプロトタイプは、DALL·EやChatGPTを駆使した技術が鍵となっています。

The Magic Storybook

The Magic Storybook (https://www.twobulls.com/projects/the-magic-storybook)

このプロトタイプでは、ユーザーとなる子供たちが想像力や創造力、そしてユーモアを発揮し、自動的に絵本を作成することができます。さらに、ユーザーはテキストを編集するか、DALL·E 2によって生成された画像を変更することで、絵本のストーリーをカスタマイズすることもできます。さらなる特徴として、このプロトタイプにはAIが生成した効果音や音楽も組み込まれており、ストーリーをより鮮明に伝える助けとなっています。

私はこのプロジェクトに、UXUI・ゲームデザイナーとして参加しました。そして、プロジェクトを進める中で3つの重要なことを学びました。

一つ目は、プロジェクトの成功にとってプロンプトの質が重要であることです。そのため、私たちはプロンプトの制作に力を注ぎました。二つ目は、AIツールをアートディレクトすることが大切であることです。DALL·E 2は、特定の著作権のあるデータセットから派生したコンテンツを使用して画像を生成するため、私たちはDALL·E 2を正確にアートディレクトし、著作権フリーのコンテンツを使用して、統一感のある画像を作成するように努めました。三つ目は、AIがデザイン分野を含む多くの業界で混乱を引き起こしていること、そして私たちデザイナーの働き方を大きく変える可能性があることでした。

OpenAI

https://labs.openai.com/

このプロジェクトに関わることは、私のこれまでのデザインに対する見方を変えるきっかけとなりました。私は、AIがデザイナーの仕事を奪うのではなく、AIは私たちがよりクリエイティブな仕事に集中できるようにしてくれると感じています。デザイナーは、AIが生成したアイデアを受け取り、それを改善し、洗練させることができます。これは、より高品質でクリエイティブな成果物を生み出すことにつながります。AIがデザイン業界を変える可能性は無限大であり、私たちはこの未来に向けて準備をしなければなりません。

今回は、前編記事で私たちがプロジェクトで学んだプロンプトの質の向上方法やAIツールのアートディレクション方法についてご紹介し、後編でAIツールがデザイン業界に与える影響や、デザイナーが今後どのようにAIと協力していくべきかについて探求したいと思います。

AIを使ったデザインの鍵を握る! プロンプトとは何か?

ChatGPTのスプラッシュ画面

ChatGPTのスプラッシュ画面

AIツールを使う時には、プロンプトに注意が必要です。何を伝えるか、どのように伝えるかによって、AIがどのような応答を返すかが大きく変わってきます。つまり、プロンプトの質はAIの応答に大きく影響するのです。

そこで、デザインの世界でも同じように、プロンプトの質がとても重要となってきます。例えば、「シンプルなデザインを作って」というプロンプトでは、どの程度のシンプルさを求めるかが曖昧で、AIが生成するデザインの質も不確定になってしまいます。

逆に、「操作性を高めることを目的として、シンプルなユーザーインターフェイスを作成して」と明確なプロンプトを与えることで、AIに必要な情報を正確に伝え、期待するデザインを生成させることができます。プロンプトは、AIにとって「教科書」のようなものです。良いプロンプトを作成することで、AIの応答の品質を高め、プロジェクトの成功につながるのです。

高品質プロンプトの極意とは?

よりクオリティの高いAI生成物を得るためには、適切なプロンプトの使用が不可欠です。プロンプトはAIツールがどのような情報を生成するかを決定するため、タスクや質問を明確にし、具体的で簡潔な言葉を使うことが重要です。こうすることで、AIツールが入力を正しく解釈し、目的の結果を提供できるようになります。AIを最大限に活用するためには、プロンプトの作成に注力する必要があるでしょう。

fiverr

https://www.fiverr.com/

最近はプロンプトの重要性が増し、それに伴ってプロンプトを書くフリーランサーの需要も高まってきています。実際にFiverrなどのフリーランスプラットフォームでは、AIツールを使用するための適切なプロンプトを提供することを専門にしている人たちが多数登録しています。Fiverr上でのプロンプトライターの提供サービスには、多言語対応や業界特化型のプロンプト作成などがあり、様々な要望に対応しています。AIツールの需要が高まる中、プロンプト作成の需要も高まっているようです。

明快で具体的なプロンプトがAIの力を引き出す!

プロンプトは、端的かつ明快であるべきです。また、具体的なタスクや問題を含めることで、AIは意図を正確に解釈し、適切な答えを導き出すことができます。AIは完全ではなく、複雑な文法や表現を扱うことが難しいため、分かりやすく簡潔な言葉でプロンプトを表現することが重要となります。もしもAIの力を最大限引き出したいのであれば、具体的でわかりやすいプロンプトの作成に力を注いでみましょう!ここでは、効果的なプロンプトを書くためのポイントを紹介していきます。

背景情報を提供しよう

AIには人間が持つような経験や知識がないため、背景情報が欠けていると正しい回答を提供することができません。例えば、新しいアプリを開発する際には、同じ分野の競合他社のアプリや、類似するアプリの機能や特徴、市場動向などの情報を収集することが重要です。

例えば、デザイナーがアプリの購入手続きに関する問題を解決したい場合、現状の状況や背景情報を詳しく説明することが重要です。このようにすることで、AIは正確な情報を得て、適切な回答を提供することができます。

例えば、

Quote

私たちのアプリには、ユーザーが商品を購入する際に複数の画面を進む必要があります。顧客の情報を収集するために多くのステップが必要なことが挙げられますが、これを減らすことはできますか?

というプロンプトに対する回答がこちらです。

ChatGPTでのプロンプトの例

このようにAIに十分な情報を提供することで、より正確な結果を得ることができます。背景情報を提供することで、AIがより賢く振る舞うことができるのです。

次に具体的な例を加えてみよう!

AIが意図を正確に理解し、適切な回答を提供するためには、明確で具体的なプロンプトが必要です。あいまいな言葉や曖昧な表現を使わず、具体的で明快な質問をすることで、AIはより正確な回答を生成できます。また、情報を豊富に提供することで、AIはより詳細な分析や実用的な提案を行うことができます。つまり、具体的で情報が豊富なプロンプトがAIとの効果的なコミュニケーションの鍵となります

例えば、「最近のプロジェクトで顧客とのコミュニケーションが上手くいかなかった場合、改善する方法はありますか?」という具体的な質問は、AIが正確な回答を提供できるような情報を提供します。逆に、「ビジネスコミュニケーションの改善方法はありますか?」といった一般的な質問は、AIにとっては曖昧であるため、正確な回答を提供するのは困難です。

では先ほどの質問に具体的な例も加えてみましょう。

Quote

私たちのアプリには、ユーザーが商品を購入する際に複数の画面を進む必要があります。しかし、ユーザーからは「購入手続きが長くてストレスがたまる」というフィードバックがあります。この問題を解決するためには、どのような方法がありますか?顧客の情報を収集するために多くのステップが必要なことが挙げられますが、これを減らすことはできますか?

このプロンプトに対する回答がこちらです。

ChatGPTのプロンプトに具体例を追加

このような具体的な例がある場合、AIは顧客情報を収集するためのより具体的なアドバイスや、より良い解決策を提供することができます。そして、AIが提供するアイデアはより実践的で、より現実的な解決策になる可能性が高くなります。

人間にとっては当たり前な情報もAIにとっては重要

AIが本当に輝くのは適切なコンテキスト(文脈)が与えられた時です。例えば、AIにレストランのレビューを生成するよう依頼する場合、そのレストランのカテゴリーや場所、価格帯などの情報を提供することが重要です。そうすれば、AIはそのレストランに最適な言葉を選び、読者にとって役立つレビューを生成することができます。つまり、AIがより正確で有用な情報を生成するためには、コンテキストを提供することが欠かせません。

AIとのコミュニケーションにおける「一貫性」の重要性

ChatGPTを使用する際には、一貫性もとても大切です。プロンプトで一貫した言葉と用語を使うことで、ChatGPTが生成したい内容を正しく理解し、回答の明確性、正確性、そして分かりやすさを高めることができます。

プロンプトの文章に一貫性が欠けると、同じ用語や概念に対して異なる言葉を使って混乱を招くことがあり、AIの解答が誤解や誤った解釈を生み出す可能性があります。しかし、一貫性を持たせることで、AIは同じ言葉が同じ概念を指すことを期待するため、混乱することが減ります。さらに、一貫した用語や言葉を使うことで、AIは回答を明確に表現し、正確な情報を受け取ることができるようになります。

デザイナー用語は要注意!

AIに正確な回答を得るには、専門用語やスラングは避けた方がよいとされています。例えば、デザイナーの場合、ヒアリング(ユーザーインタビューをすること)、ローファイ(低解像度や手書きのものを指す)、スプリント(1週間から1か月程度の期間でアイデア出しやプロトタイプ作成を行うデザイン手法)などの専門用語やスラングを使用すると、AIが混乱する可能性があります。どうしてもこのような用語を使いたい場合は、英語でプロンプトを作成した方が回答の精度が上がります。

ChatGPTが「日本語」と「英語」で異なる理由とは?

ChatGPTの回答は日本語で質問した場合と、英語で質問した場合で異なります。これは、トレーニングに使用されるデータセットの言語が異なることが主な理由となります。ChatGPTが「日本語」と「英語」で異なるのは、トレーニングに使用されるデータセットが異なるためです。日本語のChatGPTは日本語テキストでトレーニングされ、英語のChatGPTは英語テキストでトレーニングされています。さらに、日本語と英語の言語構造にも差異があるため、応答品質にも差異が出ます。例えば、日本語は主語を省略することができるため、文脈を正確に理解することが重要です。また、日本語には敬語や、文化的な表現、略語や俗語の使用など独自の文化的要素があるため、ChatGPTが日本語の文化や社会的背景を理解することも必要です。

もっと賢い応答を得るために、プロンプトを鍛えよう!

プロンプトを改善するためには、テストと反復が必要です。異なるプロンプトバリエーションを試して、GPTの生成された応答を比較し、最適なものを選択することが肝心です。これにより、GPTが最高品質の応答を生成できるよう、プロンプトの品質を向上させることができます。あなたのプロンプトを鍛え、GPTの驚くべき能力を最大限に引き出しましょう!

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ChatGPTのパワーを最大限引き出す!デザイナー向けプロンプト集

デザイナーのみなさんに、デザイン業務で使えるプロンプトの例をまとめました。これらのプロンプトは非常にシンプルながらも、多くのコンテキスト、詳細、そしてデータを提供することで、さらに精度の高い回答を得ることができます。より良いデザインを実現するために、是非ともこのChatGPTのプロンプトを活用してみてください。

デザイナーがChatGPTを使用しているイメージ

デザイン業務で使える25のプロンプト

[コンテキスト]や[トピック]などの括弧内の表現を、取り組んでいる課題に合わせてカスタマイズして下さい。ここでも、できるだけ詳細に背景情報を書き出すことが精度の高い回答を得るためのポイントとなります。

  • [コンテキスト] における潜在的なユーザーの偏見を明らかにして。

  • [チャレンジ] の概要を書いて。

  • [トピック] のプロジェクトに適したプロセスは何?

  • [コンテキスト] に適したデザインパターンは何?

  • [トピック] に関するベストプラクティスは何?

  • [コンテキスト] をデザインする際に注意すべきことは何?

  • [機会] に関するデザインのアイデアをブレインストーミングして。

  • デザインプロセスを [ユーザー] にとってより包括的にするにはどうすればいい?

  • [コンテキスト] に関するワークショップのワークショップアクティビティを考えて。

  • [ユーザー] の [業界] エクスペリエンスのワイヤーフレームを作成して。

  • [ユーザー] の [コンテキスト] に関するアンケートの質問を作成して。

  • [挑戦] に役立つデザインや研究方法を挙げて。

  • このブリーフに対するソリューションをデザインする最善の方法は何?: [ブリーフ]。

  • [トピック] に関するベストプラクティスは何?

  • [プロジェクト] のコードを書いて。

  • [コンテキスト] のAIイメージジェネレーターのプロンプトを作成して。

  • [コンテキスト] で一般的なUXの問題を特定して。

  • [会社] の競合相手は誰?

  • [ユーザー] が使用する [コンテキスト] のマイクロコピーを作成して。

  • [プロジェクト] でユーザビリティテストのユーザータスクを作成して。

  • [テキスト] を校正して。

  • [テキスト] に関するケーススタディ・ノートを作成して。

  • [既知のプロダクト] に関するユーザーの主な問題は何?

  • [テキスト] に関するケーススタディ・ノートを作成して。

  • [既知のプロダクト] に関するユーザーの主な問題は何?

ChatGPTは、質問を変えることで、面白くて個人的な会話を促進し、さらには顧客のフィードバックを把握し、優れたコンテンツを生み出し、プロダクトデザインにおいて重要な洞察を提供する可能性があります。これによって、プロダクトをより魅力的にし、ユーザーにより深く愛されるものにすることができます。

次に、AIを利用した画像生成とアートディレクションについての情報をご紹介します。現代のAIツールは、複雑なアルゴリズムや機械学習モデルを駆使して、美しい画像を生み出しています。しかしながら、著作権のあるデータセットからの派生コンテンツの使用による法的リスクや、コンテンツの品質を確保するためのアートディレクションの重要性も見逃せません。

さらに、高品質で統一感のある画像を生成するためには、適切なプロンプトを提示することが必須となります。つまり、AIに対して的確な指示を与えることが、美しい画像を生み出すためにも欠かせないのです。

​​Shutterstock を通じてライセンス供与できる AI 生成アートワークのセレクション。

​​Shutterstock を通じてライセンス供与できる AI 生成アートワークのセレクション。

AIが創る世界がすごい。驚きの画像生成ツール事例集

Playformのスクリーンショット。3種類のAIによって生成された画像とテクスチャの例。

Playformのスクリーンショット。3種類のAIによって生成された画像とテクスチャの例。

ここでは、驚くべきアート作品を生み出すAI画像生成ツールをご紹介します。

  • DALL·E 2: DALL·Eは、Open AIによって開発された画像生成ツールで、無料プランで月15枚までの画像生成が可能です。

  • Midjourney: 数億枚の画像とテキストをペアとして学習し、AIが私たちの想像力を超える驚くべき作品を生み出すことができます。

  • DeepDream: Googleが開発した画像生成ツールで、畳み込みニューラルネットワークを使用して、入力した画像から顕著な特徴を強調した新しい画像を生成します。

  • Stable Diffusion Online: ログイン不要で利用でき、オンライン上で手軽にアート作品を作成できます。このツールは、ディープラーニングの一種である「拡散モデル」と呼ばれるアルゴリズムを使用して、画像を生成します。

  • El Pintador: iPhoneなどのiOSデバイス向けに開発された、Stable Diffusion生成ツールの1つです。このアプリは、オンライン上でアートワークを生成することができ、手軽にアート作品を作成することができます。

  • DiffusionBee: MacOS向けのStable Diffusion生成ツールの1つです。

  • Nvidia Canvas: Windows用ソフトウェアで、ブラシで描いたストロークを美しい作品に仕上げることができます。Nvidia RTXグラフィックカードが必要です。

  • Playform: 手描きスケッチをイラストなどの作品に仕上げることができるオンラインアプリで、無料で利用できますが、ウォーターマークを外すには有料のクレジットが必要です。

  • NeuralStyle: 画像のスタイルを変換することができるAI画像生成ツールです。

これらのツールは、あなたの創造力の限界を超え、魔法のような世界を作り出すことができます。

AIがアーティストの座を脅かす時代 ー 現状と行方

DALL-Eのスクリーンショットー多様なAIによって生成された画像の例。

DALL-Eのスクリーンショットー多様なAIによって生成された画像の例。

AI画像生成ツールは現代の創造的な活動に革新をもたらしています。これらのAI画像生成ツールはデザイン、アート、映画製作、ゲーム開発など、様々な目的に使用されています。一方で、その強力さゆえに問題点や制限が存在します。例えば、AIが著作権のあるデータセットから学習した場合、生成された画像が著作権上の問題を引き起こすことがあります。また、生成された画像が現実的なものでない場合、現実との差異を調整するための手間がかかる場合もあります。また、現在のツールには課題や制限があります。デザイナーはこれらを理解した上でツールを使用する必要があります。そこで、現在存在する問題点や、それに対処する方法、そして効果的にアートディレクションを行う方法を紹介したいと思います。

画像生成AIに関する最も厄介な問題は、著作権侵害の可能性

AI画像生成ツールの魅力的な機能は、創造力を刺激し、デザインに新しい可能性を提供しますが、著作権侵害の問題は無視できません。DALL·EのようなAIモデルは、オリジナルのデータセットから派生したコンテンツを使用して画像を生成するため、著作権侵害の可能性があります。 解決策として、データセットに対する著作権ライセンスの枠組みを構築し、適切なデータセットを選択するようにプロンプトを使用することが重要です。さらに、AIモデルを改善することで、著作権侵害のリスクを低減することができます。デザイナーは、この問題に十分に注意し、適切な手順を踏んでAI画像生成ツールを使用する必要があります。

バラバラ感をなくす! 統一感を出す方法とは?

DALL·Eは、プロンプトに従って画像を生成します。しかしながら、同じプロンプトを使用しても、生成される画像の雰囲気はまったく異なる場合があります。これは、DALL·Eが膨大な量の画像データセットから学習しているためです。

一貫性を保つためには、アートスタイルのプロンプトを繰り返し使用することが重要です。たとえば、子供向けのプロジェクトを行う場合は、「油絵」「子供」「絵本」のようなプロンプトを使用して、画像の統一感を維持することができます。

AI画像生成ツールを使う際には、明確なガイドラインを設定することが重要です。色や構成、スタイルなどの指示をプロンプトに含めることができます。さらに、背景の詳細にも注目することが必要です。カメラアングル、照明の詳細、焦点距離、特定のカメラなどを指定することで、AI画像生成ツールを効果的にアートディレクションすることができます。

統一感を出すためのプロンプトの例: その1

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鮮やかな花、豊かな緑に満ちた静かで美しい庭園。 忠実な犬を連れた少女が中央に座っている。女の子は本に深く夢中になっている。クラシックな油絵スタイルでレンダリング、ソフトで落ち着いた色調。フリー素材を使用

統一感を出すためのプロンプトによって生成された画像

統一感を出すためのプロンプトの例: その2

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森の庭、太い木の周りに咲くピンク色の花、飛び回る鳥、好奇心旺盛なウサギ。 その中心に、柔らかなピンク色の髪をした少女がいる。 彼女は木の前にたち、森にいる動物を観察している。 アートワークは未来的な 3D アート スタイルでレンダリングされ、ソフトで落ち着いたトーンで夢のような雰囲気。フリー素材を使用。

統一感を出すためのプロンプトによる生成結果

DALL・E 2の画像生成にはまだ限界がある!

DALL・E 2は、1024×1024ピクセルの解像度の画像を生成することが可能ですが、その生成能力には制限があります。そのため、大きなサイズで印刷するためには、十分な解像度を持っていない場合があります。また、生成された画像のクオリティについても、境界線や輪郭がボケたり、その他改善すべき点がまだまだ存在すると考えられます。

デザイナーたちは、このような問題に対処するために、従来の画像編集ソフトウェア(たとえばPhotoshop)を使用して、生成された画像を改善することが必要です。具体的には、境界線のクリアさや輪郭のシャープさなどが改善すべき点となります。また、デザイナーは生成された画像の細部精度や色味、テクスチャなども改善する必要があります。

Microsoft Research Asia、北京大学、Microsoft Azure AIによる研究チームが共同開発した「NUWA-Infinity」という学習モデルは、テキストから画像や動画を生成するだけでなく、画像から動画や拡張画像(コンテンツの関係を失わずに画像を拡大すること)を生成することができます。これは、高度な自己回帰モデルを使用しています。この手法はより高解像度な画像(4096×1024ピクセル)を生成できます。

NUWA-Infinity

https://www.semanticscholar.org/paper/NUWA-Infinity%3A-Autoregressive-over-Autoregressive-Wu-Liang/a930064dbb82dcf5bd91171c1fd93fc22c339727/figure/0

秘訣は設定とフィードバック!

AIツールを使ったアートディレクションの鍵は、設定とフィードバックです。設定を調整することで、AIツールの出力をカスタマイズし、自分のビジョンに合った画像を作成できます。そして、フィードバックを提供することで、AIツールが学び、出力を改善し、あなたのニーズに合わせた画像を生成できます。完璧な画像を作成するためには、数回の反復が必要な場合もありますが、何度でも試して、目標の結果を得るようにしてください。これらのヒントを実践すれば、AIツールを使ったアートディレクションが得意になること間違いなしです!

AIツールのスタイルを学ぼう!

AIツールは、それぞれ異なるトレーニングモデルや技術が使用されており、これによりプログラムされた生成方法によって画像のスタイルが異なります。

以下の画像では同じプロンプトを用いて生成された複数の画像の差異が明らかに示されています。

Midjourneyが生成する画像の特徴

Midjourneyは、ディープラーニングの一種であるGAN(Generative Adversarial Networks)を用いた画像生成ツールです。GANは、学習データとは異なるデータを生成することができます。Midjourneyは、ある画像を入力として受け取り、GANによってそれに似た画像を生成しますが、その画像は写真のようにリアルには見えず、むしろ絵画のような芸術的なスタイルを持ちます。これは、GANが学習データから特徴を抽出して、それを元に新しいデータを生成するためです。そのため、Midjourneyが生成する画像は、写真よりも絵画的なスタイルを持っているのです。Midjourneyは抽象的で幻想的な画像を生成することに適しているかもしれません。

DALL・E 2が生成する画像の特徴

一方DALL・E 2は、画像認識システムの一つであるCLIPを使っています。このCLIPは、画像とテキストの一致を予測するために訓練されていて、この二つの要素の関係を学習することで​​より現実的な画像を生成できるようになっています。つまりDALL・E 2はリアルな画像を生成するようにトレーニングされているということです。しかも、DALL・E 2は、影やテクスチャなど、細かい部分まで考慮しながら、特定の位置にオブジェクトを配置、削除することもできます。さらに、アップロードした画像を元に、複数のバリエーションを生成することもできるので、アイデアを広げるのに最適です。

Stable Diffusionが生成する画像の特徴

他にもStable Diffusionは、「潜在拡散モデル (Latent Diffusion Model) によって生成されます。このモデルは、まるで時間の旅をしているかのように、ノイズを加えた画像を次々と生成していきます。このアルゴリズムは非常に詳細で、驚くほどリアルな画像を生成することができます。しかしながら一般的な画像、例えばロゴなどの一般的な画像の生成にはあまり適していないようです。

このように、どの手法も、画像生成の分野で革新的な成果を出していることは間違いありませんが、それぞれの手法が得意とする画像の種類や用途が異なるので、自分の目的に合ったモデルを選ぶことが大切です。そして、選んだモデルに詳しくなって、そのモデルの制限や機能を理解することで、最高の成果を引き出せるようになります。あなたもAIツールを上手に使って、自分だけの素晴らしい画像を作ってみてください。

AIツールのバイアス問題に直面?創造的な解決策を考えよう!

最近、AIツールの開発においては、バイアスの問題が深刻な課題として取り上げられています。バイアスとは、機械学習や人工知能の開発において、偏りが生じてしまうことを指します。バイアスの原因としては、訓練データの偏りや、アルゴリズムのデザイン上の偏り、人間の偏見や社会的な差別が反映されたデータなどが挙げられます。

アルゴリズムのデザイン上の偏りは、アルゴリズム自体が特定のグループや属性に対して優位性を持つように設計されていることを指します。例えば就職支援サイトで特定の大学出身者が他の大学出身者よりも優遇されるアルゴリズムや、ある国の言語に適した出力をするように設計されたアルゴリズムがあります。このようなアルゴリズムは、公平性や正確性を欠くことがあり、異なるグループや属性に不利益をもたらす可能性があります。このようにバイアスがあると、AIシステムの正確性や公平性が損なわれる可能性があります。

デザイナーが製品開発するときに大切なのは、様々な人のデータを使うことです。例えば、人種や性別、年齢、地域などの情報を使ってアルゴリズムの偏りを減らせます。それに、テストと修正を繰り返して、偏りを特定し修正することが大切です。例えば、社会保障制度のアルゴリズムが年齢によって異なる結果を出す場合、年齢層に合わせたデータを使って修正する必要があります。

デザイナーは、アルゴリズムの改善にも取り組めます。例えば、性別に偏っている場合、性別や人種などの多様な属性を持つ人々のデータを使って、偏りを特定して改善できます。また、ある属性やグループに有利に働くアルゴリズムの場合、改良して公平な評価方法を導入し、より公平な処理を行うことができます。こうした取り組みによって、AIツールの性能を向上させ、より公平な未来を実現できます。

最後にAIツールを改善することで、ユーザーが得られるメリットを理解してもらうことは、信頼を持って使い続けるために重要です。改善により、アルゴリズムの偏りが減少し、公平な判断ができるようになったり、正確な予測ができるようになったりすることがあります。改善前と改善後のデータを比較し、その違いを視覚的に示すことで、ユーザーが理解しやすくなることもあります。ユーザーへの教育を通じて、改善によるメリットを説明することが大切です。

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AIとデザイナーが手を取り合う未来へ

デザイナーがスクリーンを眺めている画像

ChatGPTやDALL•E 2のようなAIツールは、まるでデザイナーの魔法の杖のように機能します。文字列や画像を生成するだけでなく、プロジェクトのプロセスを改善し、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。さらに、将来的には、自然言語処理や画像処理があらゆるソフトウェアに不可欠な要素となるでしょう。

しかし、これらのツールを最大限に活用するには、正確なアートディレクションが必要です。デザイナーは、AIを適切に扱い、出力を修正し、目的に合ったデザインを作り出すために、プロジェクトの進行においてAIツールを利用する必要があります。言葉とアートスタイルの一貫性を維持することも、AIテクノロジーを最大限に活用するためには重要です。

つまり、AIツールはデザイナーにとっての味方であると同時に、私たちのスキルと創造性を引き出すためのツールでもあります。そして、AIツールを使うことで、より優れたデザインを生み出すことができるというわけです。

今回の前編では、プロンプトの品質を向上させる方法や、AIツールをアートディレクションする方法についてご紹介しました。次回の後編では、デザインの未来とAIツールの影響について探求したいと思います。

byNoko Washiyama

Nokoです。メルボルン在住のプロダクトデザイナーで、リモートで仕事をしています。 過去8年間は、ブランド戦略、エクスペリエンスデザイン、ビジュアルデザイン、モーションおよびイラスト、アクセシビリティデザインなどのデジタルデザインの様々な分野で仕事をしてきました。現在は、Two Bulls/DEPTでシニアプロダクトデザイナーとして、様々な国際的なデザインプロジェクトに取り組んでいます。

https://nokowashiyama.com/
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