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話題のノーコードツールとは?目的別のオススメツールも紹介

最終更新日:2024.02.09編集部
話題のノーコードツールとは?目的別のオススメツールも紹介

ノーコードとは、プログラミングをしたり、コードを書かずにWebサイトやアプリケーションが開発できる手法のことです。IT人材の不足や開発費用の削減が求められる中で、ノーコードの利用は急速に広がっています。とくに、自社のプロダクトを持つ企業の営業企画部やマーケティング部署などで、低コスト・短納期での開発が必要とされるケースで効果を発揮します。

ノーコードツールとは?

ノーコードツールとは?

ノーコードツールとは、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で、Webサイト制作やアプリケーション開発ができるツールのことを指します。たとえばデータベースの設計やUIの構築、業務ロジックの定義など、通常は専門的な知識や技術が必要な内容も直感的に操作しながら実装できるツールです。ノーコードツールをもちいることで、自社の業務プロセスに合わせたアプリケーションの開発が可能となり、ビジネスの柔軟性とスピードを向上させる助けとなります。また、ノーコードツールを導入することで人的な開発コストの削減にもつながります。

ノーコードとローコードの違い

ノーコードとローコードの違い

ノーコードとローコードの違いは、開発に必要なスキル範囲にあります。ノーコードは、プログラミング知識はほとんど不要で、基本的にはソースコードを書かずに開発する手法です。一方ローコードは、必要最低限はソースコードを記述する開発手法で、ノーコードよりも拡張性が高いです。どちらもGUI(画面上で視覚的に操作できるインターフェース)を使う手法であり、開発コストの削減や工期短縮の実現に効果がある点は共通しています。

ノーコードは幅広い方が使えるよう設計されていますが、ローコードは多少開発経験がある人向けの手法とも言えます。どちらを採用するかは、プロジェクトの要件や開発チームのスキルセットに応じて選定する必要があります。

ノーコードツールが求められている理由

ノーコードツールが求められている理由

ノーコードツールが求められている理由は多岐にわたります。

  • IT人材の不足

  • 業務効率の向上

  • 市場でのサービス多様化

新しいサービスが日々リリースされる市場において、迅速かつ効率的に開発できるかが重要なポイントとなります。ここではそれぞれの理由について解説します。

開発・制作ができるIT人材の不足

Webサイトやアプリケーションの制作・開発ができるIT人材の不足は、多くの企業で課題となっています。とくに、中小企業やスタートアップでは、専門的なIT人材を採用する予算やリソースが限られているため、この課題はいっそう顕著です。ノーコードツールは、プログラミングの専門知識がなくてもWebサイトやアプリケーションの開発が可能となるため、人材の不足を補う助けとなります。企業は既存の従業員で開発プロジェクトを進められるようになり、コスト削減とともにプロジェクトのスピードも向上させられます。このように、ノーコードツールの導入は、人材不足の解消だけでなく、ビジネス全体の効率と柔軟性を高める重要な要素となるのです。

業務効率を上げるためのDX化

DX化とは、デジタル技術を活用したビジネスモデルを意味し、商品・サービスに反映させるだけでなく、社内の業務効率化にも取り入れられています。その中でもノーコードツールは、DX化を推進する上で非常に有効な手段です。

ノーコードツールは、基本的にプログラミングの専門知識が求められないため、企業内のさまざまな部門の担当者が使えます。迅速に連携をとりながらサービス開発できることから、業務プロセスを自動化することも可能です。既存のIT部門においても、不要なルーチン業務から解放されるケースもあり、より価値の高い業務に集中できるようになります。このように、ノーコードツールを導入することで、DX化が促進され、企業全体の業務効率改善を実現する重要な役割を果たします。

市場に出回るサービスの多様化

現代の市場では、消費者の多様なニーズに応えるため、商品・サービスの多様化も進んでいます。企業は競合他社と差別化を図り、顧客に魅力的な価値を提供するため、新しい商品・サービスも次々と開発しなければなりません。ノーコードツールの活用は、この多様化の波に対応するための強力な武器となります。従来の開発手法では時間とコストがかかるプロジェクトも、ノーコードツールを使用することで、短期間かつ低コストで実現することが可能です。このように、ノーコードツールは、多様化する市場ニーズに対応するためにも有効な選択肢となります。

ノーコードツールのメリット・デメリット

ノーコードツールのメリット・デメリット

ノーコードツールの導入は、多くの企業や個人にとって革命的な変化をもたらしています。このセクションでは、ノーコードツールの魅力とともに、注意点や懸念事項について解説していきます。

メリット

  • プログラミング知識が必要ない

  • 開発費用や時間が削減できる

デメリット

  • 自由度が少ない

  • プラットフォームのサービス運営に依存する

メリット:プログラミング知識が必要ない

ノーコードツールのもっともわかりやすいメリットは、プログラミング知識不要で導入できることです。これにより、エンジニアではない人々もアプリやWebサイトを開発できるようになります。ビジネスの現場でアイデアを形にする際、技術的な障壁が取り除かれることは大きく、プロジェクト推進の発想に柔軟性が持たせられます。

メリット:開発費用や時間が削減できる

ノーコードツールを使用することで、開発にかかる費用と時間を大幅に削減することが可能です。従来の開発プロセスでは、専門的なスキルを持つエンジニアの採用や長期間の開発スケジュールが必要でしたが、ノーコードツールを使用することで、これらの要素が最小限に抑えられます。スモールビジネスやスタートアップにとって、限られたリソースで勝負に臨める点は、とくに大きなメリットになると言えます。

デメリット:自由度が少ない

ノーコードツールの使用には、自由度が制限されるというデメリットが存在します。プログラミングを必要としない反面、ツールが提供する機能やテンプレートに依存するため、特定のカスタマイズや複雑な機能の実装は困難です。この制限は、ユニークな要件を持つプロジェクトにおいては障壁となることがあるため、プロジェクトの目的や要件に応じてノーコードツールの選定を慎重に行う必要があります。

デメリット:プラットフォームのサービス運営に依存する

ノーコードツールを使用する際のもうひとつのデメリットは、プラットフォームのサービス運営に強く依存することです。ツールの提供企業がサービスを終了したり、価格を変更したりすると、それに伴う影響を受けることになります。また、セキュリティやプライバシーの管理もプラットフォームに依存するため、企業のポリシーや規制に合致するかどうかを検討する必要があります。

ノーコードツールでできること

ノーコードツールでできること

ノーコードツールの登場により、プログラミングの専門知識がなくても、多岐にわたる開発が可能になりました。このセクションでは、ノーコードツールで具体的に何ができるのかを紹介します。

Webサイト制作

ノーコードツールを使用すると、プログラミングの知識がなくてもWebサイトの制作が可能になります。テンプレートを利用してデザインを選び、ドラッグ&ドロップ操作でページのレイアウトを整えながら、初心者でも手軽にオリジナルのWebサイトを作成できます。企業のランディングページや個人のポートフォリオサイトなど、用途に応じたカスタマイズが容易になり、時間とコストを大幅に削減できるのが魅力です。

業務アプリ開発

ノーコードツールを導入することで、企業の業務を効率化する業務アプリの開発も可能です。プログラミングスキルがない従業員でも、自社のニーズに合ったアプリケーションを素早く構築できるため、業務プロセスの自動化やデータ管理が手軽に実現できます。たとえば、在庫管理や顧客情報の一元化など、日々の業務で必要な機能を自由に組み合わせられます。このように、ノーコードツールを活用することで、企業は開発の手間とコストを削減し、より柔軟な業務運営が可能になるのです。

プロダクト開発

プロダクト(自社の商品やサービス)の開発も、ノーコードツールで実現します。ノーコードツールを導入することで、エンジニア人材を用意する時間や開発にかかる時間を短縮でき、市場のニーズに応えるプロダクトの早期リリースが可能になります。また、プロトタイピング(試作品)の作成速度も向上するため、市場の反応を取り入れながら開発を進めるアジャイル開発も取り入れやすいです。ノーコードツールは、プロダクト開発をおこなう企業のビジネスを促進させる、強い味方になると言えます。

Webサイト制作: ノーコードツール紹介

ここからは目的別のノーコードツールを紹介します。ここでは「Webサイト制作」に活用できるオススメのツールを紹介します。

  • STUDIO

  • Webflow

  • Shopify

STUDIO

STUDIO

https://studio.design/ja

STUDIOは、STUDIO株式会社が提供する国産のノーコードツールです。コードやテンプレートに縛られず、誰でも自由にデザインが可能で、作成したサイトは1クリックで世界に公開できます。多くの魅力的な機能が用意されているSTUDIOですが、その中でもとくに、自由度の高いデザインエディターやCMS機能、スムーズなホスティング機能などはSTUDIOの代表的な特徴です。

ノーコードツールによっては作成できるWebサイトの用途を限定しているケースもありますが、STUDIOはさまざまなシーンでの利用が想定されています。プロのエンジニアやデザイナーからも評価を受けているツールであり、利用者数は300,000人以上、公開中のWebサイト数は80,000件以上にのぼります。

Webflow

Webflow

https://webflow.com/

Webflowは、アメリカに本社を置くWebflow Inc.が提供するノーコードツールです。Webflowの主な特徴は、構築から公開までスピーディーにおこなえる機能です。また、WebflowのCMSを使用してコンテンツ豊富なページを作成することも可能で、Webサイトを公開したあとの管理まで想定されているツールと言えます。

Webflowは世界規模で利用されているツールで、200,000以上の組織に利用されており、Webサイト制作系のノーコードツールとして業界をリードし続けています。

Shopify

Shopify

https://www.shopify.com/jp

Shopifyは、カナダのオタワに拠点を置くeコマース(EC)企業であるShopify Inc.が提供するノーコードツールです。Shopifyはオンラインストアの構築に特化したノーコードツールで、数百万人もの起業家から利用されています。グローバル展開している強みを活かし、170カ国に渡る越境ECが展開可能です。こういった機能的な特徴は、他のASPカートにはない強みと言えます。

Shopifyは販売チャネルの拡張性も魅力で、マーケティングツールやSNS統合を通じて、オンラインだけでなく実店舗と連携できる機能や、小売店舗を支えるPOSシステムもあります。地域密着型のEC運営者から海外展開を見据えた企業まで、多岐にわたるビジネスニーズに対応する強力なプラットフォームと言えます。

業務アプリ開発: ノーコードツール紹介

次に業務アプリ開発ができるノーコードツールを紹介します。

  • kintone

  • Platio

  • サスケWorks

社内の業務効率化をノーコードで実現できないか検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

kintone

kintone

https://kintone.cybozu.co.jp/

kintone(キントーン)は、サイボウズが提供するクラウドベースの業務効率化プラットフォームです。日報・スケジュール管理・採用管理などの社内情報や、お問い合わせ管理・顧客管理などの営業情報など、実践的に使えるアプリの作成と運用がプログラミング不要で構築できます。

アプリの開発は、ドラッグ&ドロップによる構築だけでなく、Excelを読み込むだけでもアプリ化できるといった特徴があります。電子契約システムや会計システムなど、外部サービスとの連携も可能です。

Platio

Platio

https://plat.io/ja/

Platio(プラティオ)は、アステリア株式会社が提供するノーコードツールです。Platio最大の特徴は、モバイルアプリの開発ができるという点で、開発は100種類以上のテンプレートから選ぶだけで誰でもカンタンに作成でき、開発したその日から運用開始が可能です。

また、オフラインでも使用できるため幅広い現場で活用できます。モバイルアプリがあれば、出先にいることの多い営業担当も、外出先から日次報告や点検報告などができるようになります。

サスケWorks

ノーコードWEBアプリ作成ツール サスケWorks

https://works.saaske.com/

サスケWorksは、株式会社インターパークが提供する業務効率化のためのノーコードツールです。サスケWorksにはデフォルトで多種多様な機能が提供されており、それらを活用することでスピーディーな開発が可能です。たとえばカレンダーを使った予約機能や帳票機能を使った見積もり制作アプリ、承認機能を使った稟議申請アプリなども作成できます。

また、サスケWorksで作成したオリジナルアプリは、オフィシャルアプリストアで販売できるという点も特徴です。

プロダクト開発: ノーコードツール紹介

自社のプロダクト開発ができるノーコードツールもあります。

  • Glide

  • Bubble

ここではそれぞれの特徴についてご紹介します。

Glide

Glide

https://www.glideapps.com/

Glide(グライド)はアメリカのtypeguardがリリースしているノーコードアプリ開発ツールです。ドラッグ&ドロップでアプリ内のデザインが調整でき、データベースはGoogleスプレッドシートやAirtableなどのツールを利用して構築します。

Glideのデザインシステムは、一流のプロダクトデザイナーによって用意されており、シンプルながら洗練されたものが多いことが特徴です。Glideを使用することで従来の開発と比べ大幅なコスト削減が実現でき、スピーディーなアプリ構築と公開が可能となります。

Bubble

Bubble

https://bubble.io/

Bubbleは、アメリカのBubble Groupによって開発されたノーコードアプリ開発ツールです。利用ユーザー数は世界で200万人を超えており、2022年7月にはMicrosoftとのパートナーシップが決まったりと、ノーコードアプリ開発ツールの市場を牽引している存在と言えます。

Bubbleでは用意されたパーツをドラッグ&ドロップするだけで見た目と機能を構築できるUIと、デプロイメントからホスティング(提供可能状態にする処理)までを実現する機能が特徴です。

ノーコードツールを選ぶときに見るポイント

ノーコードツールを選ぶ際には、さまざまな要素の検討が必要です。自社にとって適切なノーコードツールを選ぶことで、効率的な開発が可能になり、プロジェクトの成功にもつながります。

利用目的に沿った機能が搭載されているか

ノーコードツールを選ぶ際、もっとも重要とも言えるポイントが「利用目的に沿った機能が搭載されているか」どうかです。たとえば、Webサイト制作を目的とする場合、デザインの自由度やSEO対策の機能が求められることが多いです。一方、業務アプリ開発の場合、データベースとの連携やユーザー管理の機能が重要になります。

ツール選びの際には、具体的な目的を明確にし、それに応じた機能が提供されているかを確認することが肝心です。目的に合わないツールを選ぶと、後々の開発で困難に直面する可能性があるため、慎重な選定が求められます。

予算の範囲内可能か

ノーコードツールを選ぶ際、企業の予算範囲内で選定することも重要なポイントです。ツールには無料のものから高額なものまでさまざまな価格帯が存在します。機能が豊富なツールほど価格が高くなる傾向がありますが、必要な機能が揃っているかどうかを最優先に考え、予算に合ったツールを選ぶ必要があります。予算を超えるツールを選ぶと、プロジェクト全体のコストが圧迫されるため、費用面は慎重に調査することが必要です。

安心できるサポート体制はあるか

ノーコードツールを選ぶ際には、安心できるサポート体制が整っているかどうかも重要な視点です。ツールの操作に慣れない初心者や、特定の機能で困った際に、迅速かつ適切なサポートが受けられるかは、プロジェクトの進行に大きく影響します。サポート体制が整っているツールでは、チャットサポートやFAQ、チュートリアルなどが提供されることが多く、利用者の不安を軽減する役割を果たします。

まとめ

この記事では、ノーコードツールの概要や選定における重要ポイント、各種ノーコードツールの特徴について解説しました。ノーコードツールを使って開発することは、時間的・費用的なコストを抑えることにつながるケースも多くあります。ビジネスを成功させるため、記事で紹介した情報を参考に、ノーコードツールの導入を検討していただければ幸いです。

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