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紙とペンに6万円?でも本当に紙とペンみたい!reMarkable 2レビュー

最終更新日:2024.06.24編集部
紙とペンに6万円?でも本当に紙とペンみたい!reMarkable 2レビュー

iPadを購入して、「すべての業務フローをデジタル化できる!」とワクワクしながらApple Pencilで文字を書いてみたら、思ったよりもうまく書けない。線の太さを変えたり、色んなアプリを試してみたり。それでもしっくりこないので、結局手書きの作業は紙とペンで行なっているという人も多いのではないでしょうか?

でも紙とペンだと、ページを組み替えたりフォルダ分けしたりといったことはできず、発散と収束を繰り返すデザイナーの仕事においては「発想を直感的に表現できること」と「それらをまとめることができること」の2つの機能が欲しいのに、タブレット端末と紙、それぞれ痒いところに手が届かないです。

そんな中、Redditなどで広告を見かけたのが「reMarkable 2」です。気になって調べてみると、初代のreMarkableの時からユーザーの満足度は非常に高く、「手書きで文字や図を書く」というユースケースにおいては「ほぼ紙と同じ感覚」と言われていました。そんなreMarkableの後継機であるreMarkable 2。一部の日本国内のレビューでは、公式サイトが日本への発送に対応していないため、入手はやや困難と述べられていましたが、2022年には日本への発送に対応していました。おそらく、日本向けの広告キャンペーンもこの発送対応開始に合わせてのものだったのですね。

第一印象は、薄くて軽い

reMarkable2

https://remarkable.com/

公式サイトから注文して数日で届いたreMarkable 2。書き心地の良さに関するレビューが目立つため、あまり考えていなかった点でしたが、reMarkable 2を手に持つと、まずその薄さと軽さに驚きます。iPadなどのタブレット端末に近いものをイメージしていましたが、どちらかというと紙を挟んだバインダーを持っているような感覚に近いです。厚さ4.7mm、重さ403gと、大きなKindle Oasisのような印象。テーブルに置いたときに不自然な段差が生まれない薄さであることも、紙に近いユーザー体験と言われる所以なのではないかと思いました。

そして、肝心な書き心地。確かに噂通り他のタブレット端末よりも圧倒的に紙とペンの質感に近いです。これは、単純にスクリーンの表面がざらざらしているからといった類の質感ではなく、デバイス自体の薄さ、ペン先の細さ、スクリーンの反応速度や正確さが総合的に「紙とペンに近い」と感じさせているように思います。そして何より、シンプルに「紙に書いたときの自分の字に近い」という意味でも、満足感が高いものです。

reMarkable2

https://remarkable.com/

また、専用のスタイラスペンには2種類あり、おすすめは上位モデルの「Marker Plus」。通常モデルとの違いはただ一つ、ペンのお尻を消しゴムとして使えること。このシンプルなプラスアルファの機能は単純に便利なだけではなく、「紙とペン」のユーザー体験を忠実に再現しており、消しゴムを使うときにどこかのボタンを押さなくてはいけないような違和感を完全に排除してくれます。

6万円以上もするのに、ただそれだけ!?

reMarkable 2の価格は、円安の影響もあってか2022年現在で45,880円、Marker Plusは17,880円と、なんと合計6万円以上。iPadが買えてしまう値段ですね。では、iPadと比べて他にどんな優れた機能があるのかというと、「何もない」のです。ブラウザを開くことも、アプリを入れることも、動画を見ることもできないのです。Kindleと同じく「E Ink」を使った端末であるため、読書用途だと目には優しく読みやすいものの、epub形式の電子書籍やPDFにしか対応しておらず、Kindleで買った書籍を読むといった用途には使えないのです。つまり、ほぼ「書くこと」以外何もできないと考えても良いプロダクト、いわゆる「Single-Purpose Device」です。

機能が限定されているとはいえ、Redo / Undoや、書いたものの縮小、拡大、移動、ページをフォルダに分けたりなど、デジタルデバイスであることによって得られる最低限の機能は搭載されており、これがあることによって「紙とペン」よりも便利な存在となっていることは確かです。さらに月額¥488のサブスクリプションサービスを利用すると、ノートをクラウドで管理したり、reMarkable 2の画面をリアルタイムにPCに表示したりといった追加の機能を得ることもできます。

紙とペンを持ち歩かなくなった

このように、タブレット端末ではなく、完全に「紙とペン」の上位互換としてデザインされていることがわかるreMarkable 2です。やはりその狙い通り、しっかりと「紙とペン」の役割を果たしてくれます。オンラインミーティングの時には、すぐにメモを取れるようにPCの横にreMarkableを置いておくようになりました。ちょっとPCの画面を見ないで思考をまとめたいような時にも、自由に手書きで発想を膨らますことができます。これらはもちろん、「紙とペン」でもできることではあるものの、なんとなくノートに文字を書く時には、後で誰かに見られないか心配したり、ボールペンの文字が消せなくてイライラしたりと変なことでストレスを感じていたのです。reMarkableであれば、パスワードを設定してしまえばノートの中身が完全に自分だけのもの。そういった意味でも、紙よりも自由に発想を膨らませやすい環境を得られます。紙の上でのアナログな作業と同じ体験をしっかりと演出してくれるreMarkable 2は、インタビューでのメモや、リサーチのまとめ、UI設計など、思考の整理が求められることの多いデジタルデザイナーにとってまさに理想的なデバイスと言えるのではないでしょうか?

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