
3月15日、SmartHRのデザインチームによる、SmartHRのデザインシステムの構想から構築、運用までを紹介した書籍『ちいさくはじめるデザインシステム』が発売されました。
近年よく話題に上がる「デザインシステム」ですが、その目的や形態はさまざまで、新たに作りはじめる時には「どこから手をつければ良いのかわからない」という悩みを抱えるデザインチームも多いと思います。
また、Storybookなどのツールを使用してデザインシステムを外部に公開している企業・サービスも増えてきましたが、公開されているデザインシステムを「完成形」として見ることはできても、それがどのように構築されたのかについて知ることができる機会は少ないのではないでしょうか?
http://www.bnn.co.jp/books/12054/
『ちいさくはじめるデザインシステム』では、「デザインシステムとは何か?」という根本的な部分への理解を深めるところから始まり、デザインシステムの構想から運用まで、どのような困難があり、どのような解決策を検討したのかなど、SmartHRにおけるデザインシステム周りのこれまでのプロセスが詳細に紹介されています。
そしてこの書籍の特徴として、デザインシステムに関する抽象的な解説に終始するのではなく、実践する上で現実的に考えていかなくてはいけないような運用面の課題について多く言及されており、一筋縄ではいかないデザインシステムの構築・運用にSmartHRのチームがどのように取り組んでいるのかをケーススタディとして学べます。
また、「常に拡張されていくもの」というデザインシステムの特性にどのように付き合っていけば良いのかについても、多くのヒントが得られます。例えばアイコンのガイドラインでは、アイコンの定義のみならず「新しくアイコンを作る際のガイドライン」の作成に関する解説など、運用性という面における多くのケーススタディが参考になります。
デザインシステムにおいて、構築すること自体も簡単ではありませんが、何よりそれを社内で広めて運用・拡張していくという点が最も難しいポイントなのではないでしょうか?『ちいさくはじめるデザインシステム』は、実運用という観点でデザインシステムに関する多くのヒントを得たいデザイナーにおすすめの一冊です。