
UXデザインとは?
UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインとは、「ユーザーがサービスや製品を通して得られる顧客体験」の設計を意味します。ITサービスをはじめ、人と人の直接的な交流の範疇を超えてサービスが提供されるようになった現代においては、「ユーザーとサービスの接点を最適化すること」がUXデザインの主な課題となっています。
「UX = すべての顧客体験」なのか?
近年では、UXデザインを「すべての顧客体験の設計」と定義する場面も多く見受けられます。しかし、例えばホテルや旅館などの宿泊業での顧客体験設計について、UXデザインと呼ぶことはあまりありません。では、顧客体験設計の中でもUXデザインと呼ばれるものにはどのような特徴があるのでしょうか?
一つの指標として、顧客を「ユーザー」と呼べるかどうかで判断することができます。UXデザインは、その名前が示す通り、顧客を「 ユーザー」として定義する業界で主に使われている言葉です。逆に、顧客を「ユーザー」とは呼ばない、宿泊業や実店舗での小売業では「CX = 顧客体験」という言葉が使われることが多いです。
UXデザイナーとは?UXデザイナーの業務内容
このUXとCXの違いが、UXデザイナー業務内容を理解する上でもわかりやすい指標となるかと思います。
UXデザインが注目されるようになった背景には、ITサービスや物流の発達によって「サービス提供者と利用者の間に距 離が生まれたこと」があります。前述の宿泊業のような「顧客の顔が見える」伝統的なビジネスでは、顧客の要望を取り入れてサービスを改善することに特別な技術は必要ありませんでした。しかし、「顧客の顔が見えない」ビジネスが増えた現代では定量的・定性的なデータを集め、ユーザーとの接点を改善するために特別な技術・手法が求められるようになりました。これを担うのが、UXデザイナーの業務となります。
ユーザーリサーチ
プロトタイピング
ユーザーテスト
といった手法を使って、顔の見えない大多数の顧客の体験を最適化することがUXデザイナーのミッションです。
UI/UXデザイナーとは?
UXデザインと共によく聞かれる言葉に「UI デザイン」があります。「UI/UXデザイン」としてまとめて語られることも多く、IT企業の求人を見てもUI/UXデザイナーとしてデザイナーを募集している企業もありますね。UIデザインはUXデザインにとって重要な「ユーザーとの接点」を担う部分となっており、UIデザインはUXデザインにとって重要な要素の一つであると考えることができると思います。
この2つの分野をまとめて同じデザイナーが担当する場合、UI/UXデザイナーといった職種で定義されることが多いです。
UIデザインとは?
UXデザインとは、「利用者とサービスの接点を最適化すること」と述べましたが、モバイルアプリやWebサービスにおいてその「接点」となるのがUI(ユーザーインターフェイス)です。UIとは、ボタンやスイッチなど、ユーザーとの「接点」のことを意味する言葉で、サービス利用体験であるUXを最適化する上でとても重要な要素となりま す。このような「接点」のデザインをUIデザインと呼びます。
UXデザインとUIデザインの違い
UXデザインとUIデザインのそれぞれの定義は、
UXデザイン = 「ユーザー体験の設計」
UIデザイン = 「ユーザーとサービスの接点の設計」
と言えます。UXデザイナーが主にリサーチやプロトタイピング、ユーザーテストを通してユーザー体験の設計を担当するのに対し、UIデザイナーは実際にユーザーが操作する画面の具体的なデザインの作成を担当します。