
Webデザインを仕事にするうえで、資格は必要なのでしょうか?本記事では、Webデザインの資格の必要性・有利になる資格6選をご紹介します。将来性のあるWebデザイナーになるために必要なスキルについても解説します。
これからWebデザイナーを目指したい方
Webデザイナーとしてのキャリアアップをしたい方
フリーランスのWebデザイナーとして活躍したい方
におすすめの内容です。
Webデザイナーになるには資格が必要?
結論から言うと、Webデザイナーとして働くうえで、Webデザインの資格は必須ではありません。しかし、Webデザインの資格を持っていることで、就職や入社後のアピールなど、さまざまな場面で有利になると言えます。
例えば、大手転職サイトdoda「クリエイティブ(Webデザイナー、Webディレクター)の転職市場動向2024下半期」によると、Webデザイナーには、今後以下のようなことが求められると言われています。
デザインツールの使用経験やコーディングに関する知識
実務経験や自己研鑽のアウトプットをまとめたポートフォリオ
マーケティング能力や、デザインを通した事業貢献に関する姿勢や成果
企業やクライアントに求められるWebデザイナーであるためには、上記スキルを持ち合わせていることをアピールする必要が出てくるのです。資格勉強は、これらのスキルを身につける機会となるため、Webデザイナーが資格を取得するメリットは大きいと言えるでしょう。
Webデザイナーが資格を取る2つのメリット
Webデザイナーが資格を取るメリットは、主に以下の2つです。
効率的にWebデザインの知識が身に付く
自分のブランドを強化できる
それぞれのメリットを、下記で深掘りしていきます。
1. 効率的にWebデザインの知識が身に付く
Webデザイナーが資格をとるメリットの1つは、効率的にWebデザインの知識を身に付けられることです。Webデザインの勉強がしたいと思っていても、日々の忙しさに追われていたり、目標がなかったりすると、なかなか手につかないですよね。
Webデザインの資格を取るためには、お金を投資する場合が多いです。そのため、お金を無駄にしたくないという心理が働き、「やらなければ!」という気持ちが湧いてくるでしょう。たとえ、すでにWeb制作会社で働いている人であっても、基礎や座学をうまくインプットできていない場合があります。資格を取得する過程で、新たな発見もあるかと思います。
以上のような理由から、Webデザイナーが資格を取得すると、効率的にWebデザインの知識を身に付けられると言えます。
2.自分のブランドを強化できる
Webデザイナーが資格を取得すると、よりWebデザイナーとしての自分のブランドを強化できます。
名刺や履歴書に資格の名前を書けるため、クライアントからの信頼度が高まるでしょう。特に、フリーランスとして活動している方には有利です。資格取得するためにはお金の投資が必要になりますが、資格があれば、今まで以上に就職や仕事獲得をしやすくなります。先行自己投資として、Webデザイナーの資格取得はおすすめです。それでは、Webデザイナーに有利な資格を6つご紹介します。
Webデザイナーに有利な資格6選
Webデザイナーに有利な資格は、主に以下の6つです。
国家資格の「Webデザイン技能検定」
Webクリエイター能力認定試験
HTML5プロフェッショナル認定資格
Photoshop®クリエイター能力試験
Illustrator®クリエイター能力認定試験
色彩検定
それぞれの資格の特徴・受験申請方法・合格率などを表で解説します。
1. 国家資格の「ウェブデザイン技能検定」
https://www.webdesign.gr.jp/
ウェブデザイン技能検定は、厚生労働省から指定を受けて行われている国家検定制度の1つです。唯一のWebデザインの国家資格となっています。
試験は、実技と学科試験で構成されており、問われる内容は、関連国際標準規格等に基づいた以下の項目です。
Webデザインに関する知識
技能
実務能力
ウェブデザイン技能検定には、3級までの等級があり、Webデザイン3級は実務経験がなくても受験できます。Webデザイン1級・2級は、実務経験が必要です。合格後は、合格証書がもらえます。
2. Webクリエイター能力認定試験
https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/
Webクリエイター能力認定試験は、基本的なデザイン能力やWebサイト制作におけるコーディング能力が問われる試験です。Webサイト制作をするうえでの実践的なスキルを身につけられます。
未経験者でも受験できるため、Webデザイン業界への就職・転職を考えている方に有利な資格と言えます。2021年より、「リモートWebテスト」が行われており、全国どこからでも受験できるのが魅力です。試験内容は、以下の通りです。
制作環境について
Webサイトの構成と設計について
HTMLについて
CSSについて
ビジュアルデザインと配色について
合格後は、デジタル認定証・デジタル認定証明書がもらえます。
3. HTML5プロフェッショナル認定資格
https://html5exam.jp/
HTML5プロフェッショナル認定資格は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが実施している試験です。HTML5・CSS3・JavaScriptに関する知識が問われます。Webデザインの能力やWeb全般の知識を認定するものではなく、「HTML5コンテンツ作成の能力」を認定する資格です。
HTML5は、今やほとんどのブラウザで標準機能として使われているため、Webデザイナーにとって不可欠な知識と言えます。Webデザイナーが主な対象となっているレベル1の試験では、以下のようなことが証明できます。
HTML5を利用したコンテンツ作成ができること
大規模なサイトでも効率よく作成できること
さまざまなでデバイスに対応したレスポンシブ設計ができること
レベル1の試験内容は、以下の通りです。
Webの基礎知識
CSS
要素
レスポンシブWebデザイン
APIの基礎知識
コーディングやプログラミングに関する知識やスキルを証明したい場合は、HTML5プロフェッショナル認定資格の受験がおすすめです。
4. Photoshop®クリエイター能力試験
https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/
Photoshop®クリエイター能力試験は、サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が行っている試験です。Photoshopを使った画像編集のスキルを問われます。認定基準には、スタンダードとエキスパートがあり、それぞれの基準ごとに、以下のような項目を証明できます。
スタンダード
作業指示に基づいて制作できること
Photoshopの基本的操作ができること
エキスパート
デザインのコンセプトや目的に応じて機能の選択や表現ができること
DTP/Web デザインの基本的知識があること
合格後は、オープンバッジとデジタル証明書が交付されます。
5. Illustrator®クリエイター能力認定試験
https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/
Illustrator®クリエイター能力認定試験も、サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が行っている試験です。Illustratorを使ったコンテンツ制作の能力を問われます。Photoshop®クリエイター能力試験と同様に、認定基準には、スタンダードとエキスパートがあります。それぞれの基準の内容は以下の通りです。
スタンダード
作業指示に基づいて制作できること
Illustratorの基本的操作ができること
エキスパート
デザインのコンセプトや目的に応じて機能の選択や表現ができること
DTP/Web デザインの基本的知識があること
受験資格は特にありません。
6. 色彩検定
https://www.aft.or.jp/
色彩検定は、文部科学省後援の公的な資格で、デザインをするうえで欠かせない「色」の知識を問われます。Webデザインをするうえで、配色イメージ・CIなどに関するさまざまな分野の色彩事情の知見があると、仕事が進めやすくなります。合格後は、合格証書と資格証がもらえます。
Webデザインを学ぶには
Webデザインの資格を取らない場合でも、Webデザインを学ぶ方法はあります。Webデザインを学ぶ方法は、主に以下の通りです。
Webデザインを独学で学ぶ
Web制作現場で実績を積む
学校に通ってWebデザインを勉強する
それぞれの方法を下記で解説します。
Webデザインを独学で学ぶ
1つ目は、Webデザインを独学で学ぶ方法です。
まずは、FigmaやPhotoshop、Illustratorなどのソフトウェアスキルを学びましょう。さらに、HTMLやCSSの基本知識を身につけます。クライアントや自分の理想に近いWebサイトを構築するための必須なスキルです。資格がなくても、上記のような知識やスキルをしっかり身につけていれば、Webデザイナー業界でも活躍できるでしょう。
独学の場合は主に、以下のツールを活用し学習します。
本
Webサイトの情報
動画
上記のツールを活用し、自分でWebサイトを作成しながら学ぶと効率的です。
Web制作現場で実績を積む
2つ目は、実際にWeb制作現場に就職し、実績を積む方法です。Web業界にはさまざまなスキルや経歴を持つ人が集まるので、その現場に足を踏み入れると、刺激的な毎日を送れるでしょう。
また、チームで仕事をすることが多いため、自分が持っているスキル以上のものを学べる可能性が高いです。仕事の実績も出しやすく、クライアントとのコネクションもできるため、いずれは独立したい方にとっても有利になります。
以上のように、実際のWeb制作現場に就職すれば、資格がなくても、知識やスキルが学べるだけでなく、実績作りも可能です。しかし、そもそもWeb制作会社に入るために、資格取得が有利になるとも考えられます。就職を有利に進めたい方は、やはりWebデザインの資格取得がおすすめです。

学校に通ってWebデザインを勉強する
3つ目は、学校に通ってWebデザインを勉強する方法です。
学校でWebデザインを学ぶと、Webデザインの知識やスキルが体系的に学べます。基礎からじっくり教えてもらえるため、途中で挫折することもないでしょう。
専門学校や大学に通うのは時間・金銭的に難しい場合は、オンライン講座や通信講座など、比較的リーズナブルで自由度高く学べる教材を利用するとよいです。自分のライフスタイルに合った教材を見つけて、Webデザインのスキルを身につけましょう。


Webデザインの資格を取得して差別化しよう
Webデザイナーとして働くうえで、Webデザインの資格は必須でないものの、所有していると、さまざまな面で有利になることが分かりました。
これからWebデザイナーになりたい方
Webデザイナーとしてキャリアアップをしたい方
フリーランスとして活躍したい方
上記それぞれの方にとって、Webデザインの資格取得はおすすめです。資格取得によって、クライアントから求められる人材に成長することでしょう。また、資格取得に合わせて、Webマーケティングやビジネススキルに関する知見を深めることも重要です。AIに負けない将来性のあるWebデザイナーになるためにも、新しい知識とスキルを積極的に吸収できると良いですね。