#記憶のメカニズム
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- Article・2024.02.11古典的条件づけとは?CMや広告などにも応用される学習記憶古典的条件づけ(Classical conditioning)とは、一定の条件の刺激をくり返し与えることで条件反射するようになる学習記憶をさします。生理的な反射を引き起こす刺激を何度も提示することで、深層心理や無意識に影響を及ぼして反応が変化する「条件づけ」という学習手法のひとつです。Aという刺激をBという刺激とセットでくり返し提示すると、刺激BだけでもAと同じ反応をすることが条件反射としてきざみ込まれる潜在的な記憶といえます。刺激に応答(respondent)することからレスポンデント条件づけ
- Article・2024.02.11プライミング効果とは?潜在記憶が人間の行動を左右するプライミング効果(Priming effect)とは、経験したことや見たり聞いたりした情報が、認知や行動に影響を及ぼす効果のことです。プライミングのもととなる言葉「prime」は「準備す る」という意味をもつ英単語で、認知心理学では先に取り入れた情報が潜在的に作用する現象を「プライム記憶」と呼んでいます。先行情報の種類は文字、映像、音楽など多岐にわたり、それらの先行刺激のことを「プライム刺激」と呼び、影響を受ける事柄は「ターゲット」と呼ばれています。プライミング効果に関する実験方法としては、単語完
- Article・2024.02.11エビングハウスの忘却曲線とは?記憶は1日の間に急激に薄れ ていく?ヒトの脳は経験や情報を保管して記憶する機能をもっています。しかし一度記憶したものを忘れるメカニズムも備えています。短期記憶や中期記憶は一時的に記憶されますが、時間とともに必要のない情報は消えてしまいます。記憶は情報を覚えた直後からわずか1日の間に急激に忘却が進み、その後の忘却はゆるやかに進行するのが特徴です。このような記憶保持の時間経過が描く曲線を、忘却曲線(Forgetting curve)と呼んでいます。忘却とは短期記憶や長期記憶に保持していたつもりの情報を思い出せなくなることで、忘却曲線は
- Article・2024.02.11エピソード記憶とは?長期記憶の分類をもとに解説エピソード記憶(Episodic memory)とは、いつどこで何があったかがはっきりしているような1回限りの具体的な経験についての個人的な記憶です。特定の時間や場所で個人が経験した特別な出来事やイベント、事象などのエピソードについての記憶をさしています。いつ、どこでという時間的、空間的文脈がはっきりしていることが特徴で、そのときの感情が結びついてエピソードとして強化されます。エストニア生まれのカナダ人心理学者であるエンデル・タルヴィングは、エピソード記憶と意味記憶と呼ばれる性質の異なる2種類の
- Article・2024.05.28意味記憶とは?エピソード記憶との違いやその特徴について解説意味記憶(Semantic memory)とは、エピソード的な情報を伴わず、特定の文脈からは独立して存在する知見や一般事実ついての記憶のことです。たとえば「カエルの子はオタマジャクシである」のように科学的に証明された知見などもこれに含まれます。エストニア生まれのカナダ人心理学者であるエンデル・タルヴィングは、エピソード記憶と意味記憶と呼ばれる性質の異なる2種類の記憶は、長期記憶に分類されると提唱しました。■ 記憶のプロセス入ってきた情報を「感覚記憶」として保管する情報が海馬で「短期記憶」としてと
- Article・2024.02.11長期記憶とは?記憶のメカニズムや長期記憶の種類について解説長期記憶 (Long-term memory) とは、脳に取り込まれて記憶として保管された情報の中から、特に重要なものが長期的に保持される記憶として定着したものです。長期記憶はどのようなプロセスを経て生じるのか、記憶のメカニズムの流れから説明しましょう。人は視覚や聴覚などの感覚器官を通じて情報を認識すると、まずは感覚記憶としてほんの一瞬だけ記憶にとどめます。その中から一時的に覚えておきたい情報は海馬に運ばれて1分程度保持される短期記憶として保管されます。次に短期記憶の情報は何度もくり返し思い出し
- Article・2024.02.11視覚情報の持続時間は約1秒?人は意味のない情報も瞬間的に記憶しているヒトは目や耳や鼻や手などの感覚器官でキャッチした情報を、そのまま1~2秒ほどとどめる機能をもっています。この機能を感覚記憶 (Sensory memory) と呼びます。感覚記憶は一時的な最も短い記憶です。その中で特に注意を向けた情報だけが脳に送られて短期記憶として取り込まれ、重要ではないと判断された感覚記憶は意識に残ることもなく消えてしまうのが特徴です。こうした機能がある理由として、情報を保管する脳のキャパシティがあげられます。たとえば私たちが通勤や外出時に外を歩けばそれだけで、目や耳からさま
- Article・2024.02.11感情にからめた情報はどうして記憶されやすい?記憶のメカニズムをわかりやすく図解記憶とは、過去の経験や取り入れた情報を一度脳内の貯蔵庫に保管して、のちにそれを思い出す機能のことです。記憶はヒトに限らず生物がもつ基本的な働きで、広い意味でいえば私たちの日常生活の中で記憶に関わりのない活動はほとんどありません。たとえば日常生活を送るた めのルーティーンや、自分が誰で何をしている人なのかという自己に対する認識など、過去の記憶に支えられた行動や認知は数多くあります。また記憶することで経験を対策として活かすことができるため、学習とも深いつながりをもっています。生理学的にみれば記憶は大脳