データ分析

5分で最初の一歩を踏み出そう!デザイナーのための『GA4』超カンタン解説

最終更新日:2024.06.24編集部
5分で最初の一歩を踏み出そう!デザイナーのための『GA4』超カンタン解説

GA4... 名前からして難しそうな感じがしますよね。ちょっと前まではGoogle Analyticsとして知られていたものが、最近のアップデートでGA4と呼ばれるようになりました。そして最近は「ページ滞在時間を改善したい」「リテンションを改善したい」などなど、デザイナーにもユーザー行動データについての理解が求められるようになってきています。

今回は、「新しいプロジェクトに入ったときにGA4へのアクセス権をもらったけど、グラフの画面を開いてそっと閉じた..」という方の気持ちが少しでも楽になるようにと「5分くらいでとりあえずGA4をちょっとだけ学べる」をテーマにデザイナーが気になりそうな以下の3点に的を絞って紹介したいと思います。

  1. うちのサービス、どれくらいの人が使ってくれているの?

  2. オウンドメディアで私が書いた記事、ちゃんと読まれているの?

  3. データ見て何か改善してと言われた。さぁどうしよう

1. うちのサービス、どれくらいの人が使ってくれているの?

「使ってくれている人がいること」は、サービスやプロダクトをデザインするときに一つの重要なモチベーションとなるのではないでしょうか?ユーザーインタビューなどで、ユーザーと直接顔を合わせる機会がある方もそうでない方も、デジタルプロダクトにおいてはどうしても顧客数の規模感を捉えにくいという問題があると思います。では、GA4では自身のサービスのユーザー数をどのように見ることができるのでしょうか?

GA4のダッシュボード

月間ユーザー数の確認はホーム画面を開くだけです。デフォルトの設定では、この画面の左上のパネルに「ユーザー」数が表示されていると思います。過去30日間のデータが表示されていれば、これが月間ユーザー数です。

よく耳にするこの「月間ユーザー数」という言葉ですが、「〇〇万ユニークユーザー」などと言われてもパッとしないですよね。月間ユーザー数をオフラインの別のもので置き換えると、大体以下のような感じだと思います。

  • 1,000人 ≒ 小規模だけとうまくやっているカフェや居酒屋の月間来客数

  • 1 ~ 2万人 ≒ スターバックス1店舗あたりの推定月間来客数(2023年: 約1.4万人)

  • 10万人 ≒ よみうりランドの月間来場者数(2021年: 約12万人)

  • 100万人 ≒ 東京ディズニーランドの月間来場者数(2022年: 約100万人)

  • 300万人 ≒ 月間訪日外国人数(2024年1月: 約270万人)

ひとまず何となくどれくらいの人が自身が携わるサービスやプロダクトに触れているのかが見えてきたのではないでしょうか?

2. オウンドメディアで私が書いた記事、ちゃんと読まれているの?

「ちゃんと読まれている」の基準はさまざまですが、単なるPV数には流入元の違いや記事の性質などが影響するので、今回は「ユーザーが何分くらいその記事に滞在したのか?」を見ていきましょう。

ページとスクリーン

ページ滞在時間は「レポート > エンゲージメント > ページとスクリーン」で確認することができます。ここにはWebサイト上のすべてのページが一覧で表示され、それぞれのページの表示回数や平均滞在時間を確認することができます。この画面の検索フィールドに記事のタイトルを入れてみましょう。

上記の例は、このメディア『unprinted』のSNSアイコンの利用ガイドライン解説記事のデータです。過去28日間に来訪したユーザー6,700人の平均エンゲージメント時間が49秒なので、「必要な部分だけかいつまんで読まれている」感じですね。人が1分間に読める文字数が平均400~600字程度といわれているので、記事の文字数から逆算してみてもどれくらい読まれているかがわかりそうです。

他にもスクロール率を使って読了率を測る方法もありますが、ページ滞在時間の見方がわかるだけでも、自分がデザインしたLPの滞在時間を見てみたり、デザイン変更をしたページの変更前後での滞在時間の違いを比較したりといったことができるようになります。

3. データ見て何か改善してと言われた。さぁどうしよう

流石にいきなりここまで唐突な改善依頼が来ることはないかもしれないですが、簡単にWebサイトのデザイン面での改善ポイントを見つけられる方法を一つ紹介します。

それは、「ランディングページの直帰率の確認」です。直帰率とは、「ページに来たユーザーが何もせずに帰ってしまう割合」です。GA4での正確な定義は、「ページを開いて10秒以内に何のアクションもせずにサイトからいなくなってしまったユーザーの割合」となっています。

直帰率が高いページが抱える問題の例

ページを開いて10秒以内の印象にはファーストビューのデザインが大きく影響しますよね。つまり、直帰率が高いページのファーストビューは何かしらの理由でユーザーの期待に答えられていない可能性が高いのです。

ランディングページの直帰率は、「レポート > エンゲージメント > ランディングページ」で確認できます。すると先ほどのページ一覧と同じようなUIで、どのページからユーザーが流入しているかのリストが表示されます。このリストを見ながら、流入数は多いのに他のページよりも直帰率が高いページを見つけましょう。このレポートに直帰率が表示されていない場合は、担当者に追加するよう頼んでみてください。

直帰率が高いページの改善例

このページのファーストビューやコンテンツを観察して、「何がユーザーの期待に応えられていないのか」を考え、改善することで多くの流入ユーザーを次のアクションに繋げることができます。多くの場合、直帰率の高いページは以下のような問題を抱えています。

  • 明確なCTAがない(ユーザーが直感的にページ上で何をして良いか理解できない)

  • コンテンツがユーザーの期待に応えていない(または期待に応えられることが伝わっていない)

  • 流入前に期待していた内容と違う(検索結果ページや広告などの流入元での訴求内容との不一致)

  • ページに致命的なバグがある

このあたりを改善して直帰率に変化があるか観察してみましょう。

タイトルで「5分」と約束したので今回はここまで

いかがでしたでしょうか?分析っぽい複雑な操作をしなくても、GA4を使ってデザイナー視点で気になるいくつかのデータを確認することができたのではないでしょうか?

「5分で最初の一歩だけ」というタイトル通り、今回はあまり多くの内容には踏み込まず、特に使えそうな3つの分析だけの紹介にしたいと思います。ちなみに、この「5分」という数字ですが、先ほどのページ滞在時間の解説で見た数字を考えると、5分間もかけてきっちりこの記事を読む人は少ないのではないかと思っています。この記事を読んでいる人のほとんどは1分前後でさらっと読んだのではないでしょうか?

今回紹介したようなものから始めて、GA4を眺めているとだんだんと苦手意識も薄れていくと思います。この記事をきっかけに「なんだGA4ってそんな感じなのか、もっと使ってみたいな」と思っていただけたらとても嬉しいです。

参考

データ分析

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