レビュー

「StoryTribe」直感的にイラストを組み合わせて ストーリーボードを作れるWebアプリ

最終更新日:2024.06.26
「StoryTribe」直感的にイラストを組み合わせて ストーリーボードを作れるWebアプリ

StoryTribe」はロンドンのStoryTribe Ltd.社が開発、2024年春に発表したアプリ。直感的に手を動かして、絵コンテやアニメーションを簡単に作れるブラウザベースのツールです。シンプルな作業で、時間をかけずにストーリーボードを作成できるのが魅力。絵を描いたりデザインしたりすることに苦手意識がある人でも、パーツを選んで組み合わせるだけなので、考えを形にする作業がスムーズ! 作業スピードUPやコスト削減も叶いそうです。

「StoryTribe」でできること

ストーリーボードを手軽に作れるといっても、「StoryTribe」で具体的にどんなことができるのかが気になるところ。このアプリでできることをピックアップしてみます。

サイズを選ぶ

16:9、4:3など計5サイズが選択できるほか、自分でカスタムも可能です。

サイズを選ぶ

フレームを設定

コラム数と行数を選べます。さらに、すべてのフレームにシーンタイトルやプレゼンターノート(各コマ下に入るキャプション)を入れるかどうかを設定できます。

フレームを設定

背景を設定

背景色を設定できます。もしリアリティを出すために建物や公園などを画像で挿入したい場合は、ギャラリーで検索するとテンプレートが見つけられます。自分で画像をアップロードして貼り付けることもできます。

背景を設定

パーツを挿入

キャラクター

さらりとした印象のシンプルな線画で描かれたキャラクターは、表情やポーズなどをカスタマイズ自在。ヘアスタイルを含む顔、上半身、下半身を別々に選べるほか、メガネやヒゲなどのパーツも。歩いていたり、デスクに向かっていたり、あぐらをかいていたり……とさまざまな場面に合うポージングが揃っています。顔や体の向きもバリエーションがあるのが便利。さらに、充実のテンプレートから選ぶだけでなく、自分で作成することもできます。

キャラクター

文字

フォントや文字サイズを変えられます。文字の色はグレースケールのみ変更可。

図形や吹きだし

図形や吹きだしも、グレースケールのみ対応可。例えばキャラクターに吹きだしを付けてセリフを入れることで、視覚的に意図や目的を訴求できます。

図形や吹きだし

画像

風景や商品などの画像を反映し、よりリアリティのあるストーリーボードを作ることができます。

画像

小道具

家具や食品、動物、花など日常的なものから、絵文字、矢印、手とデバイスを組み合わせたものまでがカテゴリーごとに分けられています。クモの巣や手錠(!)まである充実度。ニッチな業界やアイテムの場合は最適なパーツを見つけるハードルが上がりますが、かなりのパーツが揃っているので使い勝手はよさそうです。

小道具

必要に応じて上記をそれぞれセレクトしていくだけで、ストーリーボードが形になる手軽さを、まずは触りながら実感してみましょう。

「StoryTribe」フリープランを使ってみました

すぐに使える「StoryTribe」のフリープランを試してみました。職業と使用目的についての簡単なアンケート(英語表記)に回答すれば、そのままダッシュボードから作成画面へ移ることができます。

ログイン

フリープランで作成できるのは3つまでで、ストレージの容量上限は500MB。タイトルの入力と、サイズを選べる画面が出てきます。

フレーム設定

背景にピンクを選択。出張に行く男性がペットサービスをオーダーする設定にします。

キャラクターの顔の角度が7パターンから選べるのが便利。窓の外を見ている感じがすぐに表現できて大満足です。今回は表情が見えませんが、シンプルながら喜怒哀楽の基本パターンは揃っていました。今回の設定ではポーズに困ることはありませんでした。ただ、自転車に乗っていたり、スカートを履かせたりしたい場合は黄色い王冠マークのついた有料プランの使用がマストです。

キャラクター追加

次に、【Shape】(図形)を選択して枠を挿入し、【Props】(小道具)をクリック。窓の外に配置したい車を探してみます。検索窓に「car」と、乗用車やトラック、パトカー、ショベルカーなどが表示されました。日本語入力もできますが、「車」と入れても「no found」という結果が出るので、基本的に英語で入力するのがおすすめです。

車を追加

こちらもやはり、有料プランで使えるアイテム数のほうが圧倒的に多かったので、プレゼン用にストーリーボードを作るなら、あくまでフリープランはお試し用と捉えてもよさそうです。

sample1
sample2

このようなストーリーボードができました。使ってみた感想は、とにかく操作が簡単ということ。画面に必要最低限の選択肢があるだけなので、使い始めてすぐでも迷う時間が少なくてすみます。

フキダシや登場人物の表情や向き動作は細かく設定できますし、スマホのモックアップも作り込めます。マンガのコマのようにストーリーボードを表現することも可能。

多彩な小道具を使うことで臨場感が増しますが、イラストが英語圏のもの中心だというのも知っておきたいところ。日本ならではの「kimono」「origami」は執筆時には見つかりませんでした。でも「sushi」は発見! 必要なものがありそうかどうかをチェックするためにもまずはフリープランを触ってみるところから始めましょう。

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有料プランについて

有料プランは月額990円のサブスクリプション(2024年6月現在)で使える「Pro Monthly」と、年払いで30%安くなる「Pro Yearly」があります。フリープランでは制限のあった作成可能数やファイル容量が無制限になるので、フリープランでテストをして現場で使う判断をしたなら、有料プランに移行するがおすすめ。使えるキャラクターのポーズや小道具が倍増するのも、大きなポイントです。

pro

UX・UIデザイン作成の現場で使えるかどうか

プレゼンテーションの場で、一目でUXデザインによる効果を伝えるのに便利なストーリーボード。ストーリーボードを作る目的は相手に概要を分かりやすく伝えることなので、オリジナルのイラストである必要性はありません。そう考えると「StoryTribe」はアイデアの具体化や課題解決を可視化する時短ツールとして使えそうです。

まとめ

初心者でも直感的に手を動かせるシンプルな操作性が魅力の「StoryTribe」。これまで、ストーリーボードの作成に思いのほか時間がかかってしまったり、急ぎでストーリーボードを作るケースが頻繁にあったりと、悩みのタネを抱えていた人にとっては朗報ともいえるアプリではないでしょうか。現在はWebでのみ使用できますが、今後はiOS版やAndroid版のリリース予定があるとのこと。表現の幅も広がっていくとのことなので、この先より便利になりそうです。

執筆シキタリエ

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